ピル服用者が知るべき二種類のリスク
低用量ピルは女性の生活の質(QOL)を大きく向上させる素晴らしい選択肢ですが、薬である以上、副作用のリスクが存在します。特に服用初期に起こりやすい吐き気や頭痛(マイナートラブル)と、ごくまれに起こる血栓症(メジャートラブル)の二種類を正しく理解し、適切に対処することが、安全にピルを続けるための絶対条件です。
メイン記事でも警告したように、血栓症は命に関わる重篤な副作用です。このコラムでは、柴田祐梨英医師の専門的な知見に基づき、副作用を過度に恐れるのではなく、「リスクを知り、適切に予防・対処する」という視点から、全てのピル服用者に必要な知識を網羅的に解説します。
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- 最も注意すべき副作用「血栓症」の具体的な初期症状(ACHES)と対処法
- 血栓症リスクの高い人の明確な特徴と、ミニピルという唯一の選択肢
- 服用初期の吐き気、頭痛、むくみなどのマイナートラブルの原因と、症状別対処法
- 副作用が起こりにくいピルの世代と、種類変更の検討基準
監修:柴田 祐梨英(「東岡崎美容クリニック」院長)紹介![]() |
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|---|---|
| プロフィール | 東岡崎美容クリニック 院長 柴田 祐梨英医師 形成外科医の経歴を経て大手美容外科へ入職。 目元系の施術や小顔治療、女性特有の悩みである婦人科形成施術も得意とする。 大手美容外科での婦人科形成やバスト症例の執刀数は、東海エリアの女性医師でトップレベルの実績をもつ。 女性ならではの親身なカウンセリングと形成外科の経験に基づく高い技術力により、大手美容外科院長を務めた際には遠方からの多数の指名を受け、特に女性の患者様からの高い指名リピート率を誇る。 |
| 所属・資格等 (一部) |
日本形成外科学会(JSAPS)正会員 日本美容外科学会(JSAS) 正会員 美容皮膚科学会 正会員 ボトックスビスタ® 認定資格医 ジュビダームビスタ® 認定資格医 ジュビダームビスタ®バイクロス 認定資格医 |
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※本記事は、女性ならではの親身なカウンセリングを行う柴田祐梨英医師の監修のもと、低用量ピルに関する専門的な知見を解説しています
※より多くの患者様に自身に合った美容医療を受けていただくために、地域問わず全国の医院を紹介しています
【最重要】血栓症(血の塊)の正しい知識とリスク管理
血栓症(静脈血栓塞栓症:VTE)は、低用量ピルの服用によってリスクが上昇する可能性がある、最も重大な副作用です。しかし、リスクを正確に理解し、正しく予防することで、安全に服用できます。
ピル服用中の血栓症発症率とリスクが上がる時期
ピルを服用していない女性が血栓症を発症する確率は年間1万人あたり1~5人ですが、低用量ピル服用中は年間1万人あたり3~9人とわずかに上昇します。ただし、これは妊娠・出産時(年間1万人あたり5~20人)と比較すると、低いリスクです。
血栓症リスクが最も高まるのは、ピルを服用し始めてから最初の3ヶ月以内、または服用を一時中断した後に再開した時です。この期間は、特に体調の変化に注意を払う必要があります。
血栓症の初期症状:すぐに受診すべき「ACHES」
血栓症は、早期発見・早期治療が命を救います。以下の症状が一つでも現れた場合は、すぐにピルの服用を中止し、医療機関(婦人科、内科、救急科)を受診してください。これらは頭文字をとって「ACHES(エイチズ)」として知られています。
- A (Abdominal pain): 激しい腹痛
- C (Chest pain): 激しい胸痛、突然の息苦しさ、押しつぶされるような痛み
- H (Headache): 激しい頭痛(今までに経験したことがない強い痛み)
- E (Eye/Speech problems): 見えにくい部分がある、視野が狭くなる、舌のもつれ
- S (Severe leg pain): 片側の足の激しい痛み、ふくらはぎの腫れ・むくみ(握ると痛い)
【監修医の警告】通常のピルが飲めないハイリスク層
以下に該当する方は、エストロゲンを含む通常の低用量ピル(OC/LEP)は服用できません。服用は厳禁であり、必ず医師に申告する必要があります。

服用初期の「マイナートラブル」と症状別対処法
血栓症のような重篤な副作用とは別に、ピルの飲み始めに多くの人が経験する「マイナートラブル」があります。これらは体が新しいホルモン量に慣れるための一時的な症状であり、ほとんどが1〜3ヶ月で自然に改善します。
▼症状別:マイナートラブルの原因と具体的な対策
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| 症状 | 原因と特徴 | 具体的な対処法(日々の小さな工夫) |
|---|---|---|
| 吐き気・むかつき | エストロゲンによる胃の不快感。食欲不振につながることも。 | ・服用時間を寝る前に変える(症状を睡眠中にずらす)。 ・診察時に吐き気止めを一緒に処方してもらう。 |
| 頭痛 | ホルモン量の急な変化によるもの。 | ・市販の鎮痛薬(ロキソニンなど)は併用可能。 ・アセトアミノフェンは併用注意のため、必ず医師に相談を。 |
| 不正出血 | 子宮内膜が薄くなる途中で起こる、少量の出血。 | ・体が慣れるまで(3ヶ月程度)は続くことが多い。 ・ナプキンで対応し、4ヶ月以上続く場合は医師に相談。 |
| むくみ・体重増加 | エストロゲンの保水作用により、体内の水分が一時的に増える。脂肪が増えたわけではない。 | ・塩分を控える、カリウムを多く含む食品(バナナ、海藻類)を摂取。 ・軽い運動で血行を促進し、水分代謝を促す。 |
副作用が続く場合の「ピル変更」という出口戦略
3ヶ月以上経ってもマイナートラブルが改善しない場合や、症状が重すぎて日常生活に支障が出る場合は、ピルの種類が体質に合っていない可能性があります。この場合、自己判断で服用を中止するのではなく、医師に相談してピルの世代やホルモン含有量(超低用量ピルなど)を変更することが有効な「出口戦略」となります。
特に第4世代ピル(ヤーズなど)は、むくみやPMSの精神症状に悩む方に対して副作用が軽減される効果が期待できます。
血栓症リスクを最小限に抑えるための予防策
ピル服用中の血栓症リスクは極めて低いですが、以下の小さな工夫を日々の生活に取り入れることで、さらにリスクを低減できます。
- 水分補給の徹底: 血栓症は血液の濃度上昇(脱水)でリスクが高まります。1日1.5〜2リットルの水分を意識的に摂りましょう。
- 長時間の同一姿勢を避ける: デスクワークや長距離移動(エコノミークラス症候群)では、1時間に一度は立ち上がり、ふくらはぎを動かしてください。
- 禁煙: 喫煙は血栓症リスクを劇的に高めます。ピル服用開始を機に、禁煙を強く推奨します。
- 定期的な婦人科検診: オンライン診療でピルを処方されている方も、年に一度は必ず血液検査や内診を受け、体の状態をチェックしてください。
まとめ:リスクを正しく理解し、安心を継続する
低用量ピルの服用は、メリットがリスクを大きく上回ることが医学的に証明されています。大切なのは、血栓症のサイン(ACHES)を暗記し、マイナートラブルが出ても自己判断で諦めないことです。不安な時は、オンライン診療の医師や助産師にすぐに相談できるサポート体制の整ったクリニックを選び、継続的な安心を手に入れてください。
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